体組成計は利用者様が最初に触れる機器であり、現状の把握や目標の設定、トレーニングの効果測定などにご活用いただけます。
また最近では、体脂肪を減らすという目的だけでなく、筋肉を増やすという目的でも使用されるようになってきました。
減量・トレーニング管理
目標が無ければ、また効果が分からなければ、減量やトレーニングは長続きしません。体組成計を用いることで、現状の把握が容易となり、目標値まであと何キロ体脂肪や筋肉を増加または減少させるべきかが明確になります。また継続的に測定することで、トレーニングの効果を見える化することも可能です。体組成計は、ご利用者様に行動変容を起こさせるための魔法の道具ともいえるでしょう。
また、部位別測定に対応した体組成計を用いることで、左腕、左脚、右腕、右脚、体幹部の5部位に分けた体組成を把握することができます。これによって、より細かな目標設定と効果測定が可能となります。
高齢者をターゲットにした体組成評価
近年、高齢化による60歳以上のシニア層の増加と健康意識の高まりから、フィットネスクラブの会員に占めるシニア層の割合は増加し続けています1)。また、1世帯1人あたりのフィットネスクラブ使用料の年間支出金額は、世帯主が60歳代の世帯が2,655円と最も多く、全年代の平均の約1.8倍となっており、フィットネス需要が高まっているシニア層に対してのサービスを充実させ、継続的にご利用いただく仕組みづくりが大切です。
高齢者は筋肉が衰えやすい
40代以降、筋肉は衰えやすく2)、これにより要介護や死亡のリスクが高まるなど、健康に対してさまざまな悪影響を及ぼすことが明らかになっております3,4)。そのため、特に高齢者では、体脂肪が過剰になりすぎないようにだけでなく、筋肉が衰えないようにも気をつける必要があります。そこで、体組成評価を行うことで、脂肪が多いのか筋肉が少ないのかを分析し、その方に則した適切な積極的な栄養指導と運動指導を行うことが可能となります。また筋肉の低下は特に下肢(両脚)で顕著であるとされていますので5)、全身の筋肉量よりも、部位別の変化に着目することが効果的です。
出典:
1) 経済産業省. シニア層の健康志向の高まり、そして地域別人口に影響されているフィットネスクラブ. 2015.
2) 谷本芳美他. 日老医誌, 47: 52-57, 2010.
3) Cruz-Jentoft AJ et al. Age Ageing, 39(4):412-423, 2010.
4) Cruz-Jentoft AJ et al. Age Ageing, 48(1):16-31, 2019.
5) Hughes VA et al. A Biol Sci Med Sci, 56: B2019-217, 2001.