外来や栄養指導とリハビリテーションにおいて、体組成計が活用されています。
肥満と体組成
肥満の評価には、身長と体重から算出されるBMIが用いられることが一般的です。しかし、これまでの研究により、脂肪量が多いと死亡リスクが50%増加し除脂肪量が多いと30%減少しますが、一方のBMIではこれらの影響が相殺されてしまい、死亡リスクの予測能力が体組成よりも低いことが、確認されています1)。また、肥満の判定にBMIを用いる場合と、体脂肪率を用いる場合とでは、男性の約30%、女性の約22%に差異が生じると報告されており2)、健康に対して悪影響が生じるリスクを判断するためには、体重ではなく、体組成に着目することが有用と分かります。
高齢者は筋肉が衰えやすい
40代以降、筋肉は衰えやすく3)、これにより要介護や死亡のリスクが高まるなど、健康に対してさまざまな悪影響を及ぼすことが明らかになっております4,5)。そのため、特に入院中の高齢者においては、手術後の安静などで筋肉が衰えやすいため、積極的な栄養介入やリハビリテーションを実施することが望ましいと考えられています。また筋肉の低下は特に下肢(両脚)で顕著であるとされていますので6)、全身の筋肉量よりも、部位別の変化に着目することが効果的です。
体組成計なら現状と介入効果が分かる
体組成計の活用方法として、外来と入院のいずれの場合でも、最初に測定し、その後1~2か月に一度の頻度で効果測定を行うことが一般的です。体脂肪量や筋肉量を計測し、その変化を追っていきます。また、必要となる食事量を推定するのに(推定エネルギー所要量)、体組成計から算出される基礎代謝量が有用です。基礎代謝量は筋肉量や除脂肪量と強く相関することが報告されています7)。タニタの体組成計では、除脂肪量を基にした推定式によって、基礎代謝量を高い精度で推定することが可能です8)。
出典:
1) Sedlmeier AM et al. Am J Clin Nutr, 113: 639-46, 2021.
2) 阪本要一他. 第15回日本肥満学会記録別刷, 53-6, 1994.
3) 谷本芳美他. 日老医誌, 47: 52-57, 2010.
4) Cruz-Jentoft AJ et al. Age Ageing, 48(1):16-31, 2019.
5) Chen LK et al. J Am Med Dir Assoc, 21(3): 300-3007.e2, 2020.
6) Hughes VA et al. A Biol Sci Med Sci, 56: B2019-217, 2001.
7) Weinsier RL et al. Am J Clin Nutr, 55: 790-4, 1992.
8) 西澤美幸他. 臨床病理レビュー特集第138号: 158-64, 2007.
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