梅雨が明けるとやってくる、蒸し暑い夏。
近年、熱中症患者が増加傾向にあります。
熱中症は命にもかかわる病気ですが、対策次第で防ぐことができます。タニタの黒球式熱中アラームは、熱中症リスクを警戒音でお知らせ。
夏の熱中症対策のパートナーとしてご活用いただけます。
熱中症の要因は、気温や湿度だけではありません。地面や壁からの
照り返しによる熱=「輻射熱」(ふくしゃねつ)も大きな要因のひとつです。特にアスファルトやビルに囲まれているような場所は輻射熱が強くなります。気温、湿度、輻射熱への総合的な対策が大切です。
小野 雅司先生
国立環境研究所客員研究員。主な研究に地球温暖化による健康影響(熱中症)、紫外線曝露による健康影響など。2016年から環境研究総合推進費プログラムオフィサー。
正しい熱中症対策には
気温・湿度だけでなく、
私たちが暑さを感じるのは、気温だけではありません。 地面や建物から出る輻射熱を体が吸収し、体温が上昇することでも暑さを感じます。特に気をつけたいのが、アスファルトやグラウンドからの輻射熱。身長が低く地面との距離が近い子どもは、大人よりも輻射熱の影響を受けやすくなるので注意が必要です。
輻射熱の影響は、その場の環境によって変わります。たとえば日陰よりも日向、芝生よりもアスファルトのほうが輻射熱が強いので、暑さによる体への負担も自然と大きくなります。家族でお互い目の届く距離にいたとしても、環境によって暑さもリスクも変わるので、今どんな場所にいるかを把握しておくことが大切です。
日本の夏のように蒸し暑い環境では、気温だけでは暑さは評価できません。そこで熱中症対策のためにつくられた「暑さ指数(WBGT)」が重要になります。「気温」「湿度」「日射・輻射」「風」を取り入れた指標で、世界中で広く活用されています。日本でも2021年から暑さ指数を用いた情報発信が全国で本格的にスタートします。今後は最高気温だけではなく、暑さ指数にも注意して行動することが、熱中症対策のポイントになります。
暑さや喉の渇きを感じにくくなっている高齢者は、つい何かの作業に集中してしまい、
気づかないうちに熱中症にかかってしまうケースも多く見られます。また、幼児や子どもは体温調節機能が
まだ未熟なうえ、身長が低く、地面からの輻射熱の影響を受けやすいので注意が必要です。
タニタが行ったインターネット調査※によると、これまでに「熱中症になったという自覚がある」という人は約2割だった一方で、「暑さによって何らかの不調を経験した」という人は7割に。明確な自覚症状がなくても、実際は多くの人が熱中症が疑われる症状を経験しているようです。しかしそれは、危険と紙一重の状態。重症化を防ぐには、症状の兆候を把握し、初期症状を自覚したらすぐに対処することが大切です。
※「熱中症に関する意識・実態調査2020」。2020年6月5~8日、全国の15~69歳の男女1,000名が対象。
長時間の
庭仕事・農作業に
散歩時、自分だけでなく
ペットのケアにも
体温調節が未熟な赤ちゃんや
子供のケアに
つい夢中になりがちな
スポーツや運動中に
疲れがたまりやすい
長時間のお出かけに
熱中症は命にかかわる病気ですが、対策法を知っていれば防ぐことができます。黒球式熱中アラームは暑さ指数をもとにサポートしてくれますが、それ以外にも自分の行動にあわせた対策を普段の生活から心がけておくことが大切です。
暑い日は決して無理をせず、日陰を選んで歩きましょう。適宜涼しい場所に避難しながら、休憩をしっかりとることが大切です。また天気予報を参考にし、炎天下の日や暑い時間帯を避けて外出予定を立てることを心がけましょう。
軽い脱水状態は自覚しにくいので、のどが渇く前や暑い場所に行く前からこまめに水分補給をしましょう。また起床時や入浴前後の水分補給、大量に汗をかいたときの塩分補給も効果的です。なお、アルコール飲料での水分補給はNGです。
近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、住宅での発生が半数を超えるという結果も出ています。エアコンの設定温度を28℃にしていても、室内が必ずしも28℃になっているとは限りません。外気温や湿度、「西日が入る」といった立地状況、自身の体調や居場所などを考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理を心がけることが大切です。わが家だからといって油断せずに、室内でも黒球式熱中アラームを活用することをおすすめします。
風通しのよい日陰や、クーラーが効いている涼しい室内へ避難しましょう。
衣服をゆるめて放熱し、濡らしたタオルなどで首や脇の下を冷やしましょう。
冷たい水やスポーツドリンクなどで、水分・塩分をしっかり補給しましょう。
自力で水分補給等ができない場合には、すぐに医療機関へ連絡しましょう。
人の肌の色はさまざま。日本人は赤くなるとその後数日して褐色になりやすく、右表上表の肌タイプの2~4くらいに属します。特に色白で赤くなりやすく黒くなりにくい人は、日焼けが早く始まりやすいので、日傘や帽子、日焼け止めなどをうまく活用しましょう。日焼け後にあわてて手入れをするのではなく、自分の肌タイプを知ったうえで前もって対策することが大切です。
カバンや首などにつり下げます。日焼け止めなどご自身での対策も忘れずに。
家の外に出てから日焼けアラームをセット。カウントダウンが始まります。
日焼けが始まるまでの時間が、0になるまでカウントダウン表示されます。
カウント0でアラームが鳴るので、日傘や帽子など、対策を改めてチェックする目安にしましょう。
※日焼け止めクリームなどを使用した場合、実際の日焼けまでの時間は日焼け表示時間よりも長くなります。
日差しの強い日は、日陰を利用するのもよいでしょう。しかし、紫外線には太陽からの直接のものだけではなく、空気中で散乱したものや、地面や建物から反射したものもあります。直接日光のあたらない日陰であっても、紫外線を浴びていることは忘れないようにしましょう。
日焼け後にローションなどで肌の手入れをすることは、ヒリヒリとした日焼けの痛みを抑える効果はあるとされていますが、皮膚の老化などの長期的な予防効果は少ないと考えられます。長期的な健康への悪影響予防のためには、紫外線の浴びすぎを事前に防ぐことが効果的です。