健康状態を知るための基本。定期的に体重を測定し、変化を把握することが必要です。
3つのポイント
博士、フレイルやサルコペニアに
ならないためには、どうすればいいの?
まずは食事だ。
1日3食、バランスよく食べよう。
丈夫な筋肉と骨を作るのに気にしたい栄養素は「たんぱく質」「カルシウム」「ビタミンD」。
*高血圧や糖尿病などの持病をお持ちの方は、かかりつけ医に相談の上、指示に基づいて食事をとりましょう。
食事のポイント①たんぱく質
筋肉量を維持するには、筋肉を構成しているたんぱく質を摂取することが大切。
摂取のタイミングは、運動直後が効果的なんだ。
摂取目標
1日に体重1kgあたり1.0g~1.2g以上*
〈例〉体重60kgの方の場合
60 × 1.2 = 1日に60~90g
*「リハ栄養からアプローチするサルコペニアバイブル」日本医事新報社
多く含む食品
1日に必要なたんぱく質の目安
片手が目安!
高齢者が1日に必要なたんぱく質量は
1.0g~1.2g×体重kg
(体重50kgの人は50〜60g/日)
*健常高齢者の場合
食事のポイント②カルシウム
カルシウムは骨を構成する主要な成分なので、骨折予防のためにはとても大切。
日本人はカルシウムが不足しやすいので、毎日必ず乳製品を摂るようにしましょう。
摂取目標
1日に食品から700〜800mg
多く含む食品
1日に必要なカルシウム量の目安
食事のポイント③ビタミンD
ビタミンDには、体内のカルシウム吸収を促して骨を強くするとともに、筋肉の合成を促す作用があります。そのため、ビタミンDはサルコペニアの予防や改善への効果が期待されています。
また、ビタミンDは、紫外線を浴びることにより皮膚でも産生されるため、 1日の食事摂取目標量に加えて、日光浴を毎日15分程度行いましょう。
摂取目標
1日に食品から8.5μg
*日本人の食事摂取基準 [2020年版]
日光浴
1日15分程度
多く含む食品
ビタミンDを多く含む食品のイメージ
日本食品標準成分表2020年度(八訂)より算出
※ [] 内は1回に食べる目安とその量。 数字(μg)はビタミンD量。
食事のヒント
社会参加
- 毎食料理をするのが負担な方は、配食サービスも利用してみましょう。
- 1人暮らしの方は、たまにはオンライン食事会もしてみましょう。
つぎに運動。
食事と運動を組み合わせることは、フレイル対策により効果をもたらします。
運動は継続することが重要。無理のないように生活に組み込んでいきましょう。
運動のポイント①ウォーキング
転倒・つまずきからくる骨折や寝たきりにならないようにするには、筋力の保持が有効。
まずは簡単な「ウォーキング」から始めてみましょう。
また、弱ってしまった筋肉を鍛えるには、ただ歩くだけでなく少し負荷をかけることも大切。
数分の早歩き時間を設ける、数十歩を大股で歩く、など変化をつけたウォーキングを行ってみましょう。
正しい歩き方
「1日20〜30分、速歩でしっかり歩こう」という意識を持って歩くことが大切です。
※体調や体力に合わせて無理をしないようにしましょう。
歩数の目標値
20歳〜64歳
65歳
-
男性 9,000歩
女性 8,500歩 -
男性 7,000歩
女性 6,000歩
(健康日本21)平成25年度から平成34年度(令和4年)の目標値
運動のポイント②筋力トレーニング
筋力を維持するためには、筋肉に負荷をかけるいわゆる「レジスタンス運動」も大切です。
ご自宅でできるトレーニングでも十分効果があります。ここではおすすめ運動を2つご紹介します。
おすすめの運動
運動のヒント
社会参加
- 自治体の運動教室やオンライン教室に参加して、人と交流する機会をふやしましょう。
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そして、最後は「はかる」
からだをはかること、動きをはかることで変化に気づくことが大事だ。
はかるのポイント①からだをはかる
体重だけでなく体脂肪率や筋肉量がはかれる体組成計がおススメ。
測定項目を紹介しましょう。
体組成計
体組成計の測定項目
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体内に占める脂肪組織の割合。肥満かどうかは体重ではなく体脂肪率で判断します。
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腹筋の内側、内臓の周りに付いた脂肪のことを内臓脂肪と言います。
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姿勢を保ったり、心臓を動かしている筋肉組織の重さを言います。
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デュアル周波数測定で得られたカラダの情報から「筋肉の質」を点数で評価したものです。
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体重に占める脚の筋肉量の割合をピークである20才頃を100として指標化したものです。
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生きるために最低限必要なエネルギーのことを言います。
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体組成と基礎代謝量の年齢傾向からどの年齢に近いかを体内年齢として表示します。
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骨全体に含まれるカルシウムなどのミネラルの重さを骨量と言います。
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体内に占める水分(血液、リンパ液、細胞外液、細胞内液)などの割合を言います。
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肥満を判断する国際基準の1つで、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出します。
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左腕・右腕・左脚・右脚・体幹部ごとの筋肉量と脂肪率を表示します。
ここではフレイル対策の中で注目すべき項目を説明しよう。
まずは体重
フレイル対策を考えると、体重は減らしすぎないことがポイントだ。
ただし、体重そのものよりも中身が大切。
脂肪や筋肉がどのようについているかを知ることが大事になる。
気になる体脂肪率
体脂肪率とは、体重に対して脂肪が何パーセントついているかを示すもので、肥満の度合いを知るための大事な指標。65歳よりも若い世代にとっては、まだまだ体脂肪や内臓脂肪という要素に対しても気をつけないとならない。
生活習慣病にならないためにも、自分がどこの範囲にいるか確認してほしい。
体脂肪率判定表(全身)
- やせ
- -標準
- +標準
- 軽肥満
- 肥満
やっぱり筋肉量
筋肉量は60才くらいを境に減少する傾向があり、特に脚の筋肉量は顕著に減少していく 。体組成計では、筋肉量を数値と3段階の判定を表示する。
筋肉量が同性・同世代・同体格(同身長)の平均と比べてに多いか少ないかを表す。
「少ない」と評価された人は「標準」を、「標準」と評価された人は「多い」を目指そう。
知りたい体脂肪と筋肉のバランス
体脂肪率と筋肉量を合わせた自分の体型を知ることも大切だ。筋肉量が少なく体脂肪率が高い場合は「かくれ肥満型」となるから、筋肉を増やすことに意識を向けよう。
一方、筋肉量が多く体脂肪率が少ない場合は、「筋肉質(アスリート)型」になるので、その筋肉を減らさないようにしよう。
大切な基礎代謝量
基礎代謝量とは、呼吸をしたり心臓を動かすなど「生きていくために必要なエネルギー量」のこと。
基礎代謝量が高まると、からだが消費するエネルギー量が増え、食欲が高まることで食事量も増える。
それによって体重が増えるが、基礎代謝量の約2割は筋肉で消費される。
だから筋肉量を増やすことが基礎代謝量を高めるポイントとなる。
タニタでは、体組成をもとに基礎代謝量を算出し、「少ない」「標準」「多い」の3段階で評価する。
筋肉を増やして「多い」を目指そう。
はかるのポイント②動きをはかる
歩くことは一番手軽な運動の方法。
それを楽しくするためには、歩数計がおすすめ。
歩数に加えて、消費したカロリーも知れる活動量計もおすすめです。歩数などの数値を見ることで達成感が感じられたり、モチベーションアップに役立ちます。
歩数計・活動量計の測定項目
歩数
身に着けるだけで歩数をカウントする。
歩行時間
歩いた時間が分かる。
歩行距離
歩いた距離が分かる。
総消費エネルギー量
安静時に消費するエネルギーに加え活動で消費したエネルギー量を加えた1日の総エネルギーがわかる。1日の消費エネルギー量がわかれば、食事で摂取するカロリーの目安にもなる。
活動エネルギー量
「走り」「歩き」「生活」「安静」などの行動別に消費したエネルギー量も分かる。
筋肉量を維持したり増やしたりするにも、まずは現状把握が大切だ。食事や運動についても、気をつけ始める前と後でどのように変わってきたかを見ていくと楽しみも増える。「記録をつけること」「習慣にすること」が目標を達成する近道になる。
健康寿命を延ばすために、お気に入りの機器を選ぼう!
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