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「第5回ご当地タニタごはんコンテスト」受賞者インタビュー(前編)

2023.03.09

タニタが2018年から毎年開催している「ご当地タニタごはんコンテスト」。 日本全国の郷土料理のアレンジレシピを競う本コンテストも、2022年で5回目を迎えました。毎年、全国大会では北は北海道、南は沖縄まで、おいしく、熱く、郷土愛にあふれたプレゼンテーションが繰り広げられます。 今回は第5回の全国大会で受賞したチームのインタビューを2回に分けてお届けします。前半は準グランプリを受賞した2チームです。

「第5回ご当地タニタごはんコンテスト」全国大会ダイジェスト版YouTubeは以下から

「第5回ご当地タニタごはんコンテスト」全国大会本編YouTubeは以下から


「ご当地タニタごはんコンテスト」って?

「ご当地タニタごはんコンテスト」は、日本全国に点在する郷土料理のレシピを「タニタが考える健康的な食事の目安」に基づき、現代風にアレンジして競い合うイベントです。

そのままの味ももちろんいいけれど、味が濃かったり、カロリーが高かったりするものも多い郷土料理。本コンテストでは、エネルギー量や塩分量に基準を設けることで、毎日でも食べたくなるようなアレンジレシピにアップデート。

本コンテストを通じて、郷土料理をもっと身近に感じてもらいたいとの思いも込めています。

 

今年はこれまでの基準に加えて「免疫力・抵抗力がアップする食材」をテーマに。日本全国を5ブロックに分け、書類審査を通過した上位14チーム(1チームは都合により辞退)が、2022年11月20日に東京で行われた全国大会に進出しました。3分間のプレゼンテーションと審査員の試食によって、グランプリ・準グランプリ・特別賞を決定しました。
 


準グランプリ「東経135°瀬戸内海パエリア等」(兵庫県)/柴美佐紀さん・内田はるかさん・巴山澪さん

大学で食に関する研究を行う大学院生3人による「東経135°瀬戸内海パエリア」

 

たこめしをアレンジした「東経135°瀬戸内海パエリア」は、材料が米とタコのみで、ビタミンが不足しがちなたこめしを、パプリカや枝豆を加えることでビタミンCやβカロテンを補給し、色合いも華やかに。
粕汁をアレンジした「はグラ粕のはオトナの味」は、好き嫌いが分かれる酒粕をチーズと合わせ、グラタン風に。ホワイトソースにアレンジすることで、酒粕特有の香りを抑えて食べやすくしています。
姫路おでんをアレンジした「姫路おでん風べっちょないサラダ」は、しょうが醤油で食べる姫路おでんをサラダにアレンジ。淡路島玉ねぎを使い、しょうが醤油ドレッシングでいただくレシピです。

▲左から巴山さん、柴さん、内田さん

 

 

―初めての応募での受賞、いかがでしたか?

今回が初めての応募でした。郷土料理はなんとなくイメージがつきましたが、そこからアレンジするということは初めての経験だったので新鮮でした。

ただ、今回のコンテスト募集の締切直後に学会発表を控えていたので、その準備との両立が大変でした。今回、惜しくもグランプリは受賞できなかったため、来年はグランプリを目指して頑張りたいと思います。

 

―一番大変だったことは?

それぞれのレシピ名が最後まで思いつかず苦戦しました。

とくに、全国大会の審査でも注目していただいたグラタンの名前は、実はずっとピンとこなくて……最後まで迷っていました。しばらく納得のいく名前が思いつかないままでしたが、ある日、大学院の研究で微生物の培養をしていたときにふと舞い降りてきたんです。それが「はグラ粕のはオトナの味」でした(笑)。

 

―全国大会で印象に残っていることは?

研究室の教授が「次の世代に受け継ぐには、若い世代の感性を取り入れたほうがいいと思う」とアドバイスをしてくれたほか、たくさん協力してくださいました。今回のYouTubeのライブ配信も見ていてくれていたようで、発表直前までメールでアドバイスがきて、びっくりしつつもうれしかったです。


準グランプリ「黒豚とんこつの彩り野菜添え等」(鹿児島県)/名越万邑子さん・真邉久美さん

大学の学生と講師の2人による「黒豚とんこつの彩り野菜添え」

 

鹿児島の名物料理である「とんこつ」を野菜たっぷりにアレンジした「黒豚とんこつの彩り野菜添え」。ビタミンBが豊富に含まれる豚肉に、カロテンやビタミンCを含むかぼちゃ、ししとう、ブロッコリー、ゴーヤなどを加えて栄養価をアップしています。

このほか、うっすらピンク色のカンパチにオクラやパプリカなど色鮮やかな野菜を黒酢のジュレと合わせて宝石箱に見立てた「カンパチの宝石箱」、衣にカテキンやビタミンCを含む鹿児島の知覧茶を使った「知覧茶だがね」、麦めしを合わせて彩り鮮やかなレシピに仕上げています。
 

▲左から真邉さん、名越さん

 

 

―受賞の感想をお願いします

コンテスト初挑戦にあたり、家族、先生、友人からたくさんの応援と協力をもらって、全国大会に臨みました。恩返ししたい気持ちでいっぱいでしたので、支えてくださった方々に準グランプリという結果で感謝の気持ちを伝えられたことが何より嬉しかったです。

きっと、曾祖母と祖父の天国からの応援もあったのだと思いますし、「食で人を笑顔に!」というコンセプトに込めた思いが伝わった結果だと感じています。

 

―郷土料理に対してのイメージは変わりましたか?

郷土料理はお正月やお盆に祖父母宅で、必ず食卓に並びますし、小学生の頃は鹿児島に伝わる料理が給食で出ることがありました。しかし、日常生活の中では郷土料理にふれる機会はあまりありません。今回の応募を通して改めて、鹿児島には受け継いでいきたい大切な料理があることに誇りを感じました。

また、地域ごとの風土や歴史から生まれる料理にはロマンがあり、その料理が生まれた背景に思いをはせることで世界が広がり、豊かな気持ちになります。

そういったことを思いながら、身近な大切な人たちが、手軽に手に入る地元の食材で健康になれるようアレンジレシピを考えました。

 

―今回の受賞で、周りの反応は

全国大会前に自分自身も入院を経験し、手術前後で準備してきたことや、苦手としていた人前で話すことを克服したことなど、壁を乗り越えてのチャレンジに家族は私の成長を感じてくれていました。

また幼少期から私が料理に関心があると感じ、台所は遊び場、料理も遊びの一環として育ててくれた母は、多くの思い出が蘇り、感慨深いようでした。

全国大会で着用した大島紡ぎを準備してくれた祖母もYouTubeでの配信を見ていてくれたようで「おめでとう」と涙ながらに連絡をくれました。

 

―先生から見て、名越さんはどう映りましたか?

名越さんは、大学1年生ということもあり、食の専門的な学びの入口に立ったばかりで、郷土料理・バランス食・免疫力アップを考慮した献立作成、応募のための書類作成、プレゼンのためのスライド作成、全て初めての経験でした。自身の入院を通し、食に対する更なる思いを込めて、一つひとつ真摯に取り組んでいました。「ご当地タニタごはんコンテスト」は、授業以上の学びの場になったことと思います。

 

名越さんの応募書類からは、「食で元気に! 食で笑顔に!」という溢れる思いを強く感じました。この思いはずっと大事に持ち続けてほしいです。そして、この思いを食事で、料理で、表現のできる管理栄養士になってほしいと願います。

また同級生や先輩も全国大会に向けてエールを送ってくれました。この関係性も素敵だなと見ていました。

 

 

※後編に続きます

合同会社サウザンスマイルズ

タニタのグループ会社。社名にもなっている「もうあと1000人を笑顔に」という理念のもと、ウェブサイトの運営やモジュールの開発などを行っています。

 

サウザンスマイルズ ウェブサイト:

https://www.thousands-miles.com/

  • 本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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