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2023.03.10
タニタが2018年から毎年開催している「ご当地タニタごはんコンテスト」。 日本全国の郷土料理のアレンジレシピを競う本コンテストも、2022年で5回目を迎えました。毎年白熱する全国大会では笑いあり、涙ありのドラマが繰り広げられます。 前回に続き、今回は第5回の全国大会から、特別賞とグランプリを受賞したチームのインタビューをお届けします。
今回は、専門家による通常の審査とは別に、学生審査員による特別審査も行いました。それによって選ばれたのが特別賞です。
今回新設された特別賞には、薬局の栄養士として勤務する3人による「どさんこ満足御膳」が選ばれました。
▲「どさんこ満足御膳」
豚丼をアレンジした「Misoぶた丼」や、いももちをアレンジした「肉巻きいももチーズ」、昆布巻きをアレンジした「食物繊維たっぷり昆布巻き」など9品。
「Misoぶた丼」はタレを発酵食品である味噌ベースに変更することで、味噌に含まれる酵素プロアテーゼの働きで肉を柔らかくしています。
「食物繊維たっぷり昆布巻き」は、ごぼうを合わせることで、水溶性食物繊維が豊富な一品に。腸内環境をととのえて免疫力をアップします。
今回の全国大会で最多の9品という豪華なラインナップで会場を驚かせました。
▲左から岡本さん、清水さん、赤石さん
―受賞の感想をお願いします
プレゼンは、職場である薬局の同僚など、いろんな人にアドバイスをもらいました。周囲の協力があって受賞できたのだと感じています。全国大会への出場が決まり、事前に新聞にも載せてもらっていたので、手ぶらで帰ることにならなくてホッとしています(笑)。
1カ月くらいでレシピを作ったのですが、郷土料理のアレンジのほか、新たに追加となった免疫力・抵抗力がアップする食材を取り入れることについては、免疫力・抵抗力がアップする食材と、郷土料理のアレンジを個別にリサーチし、それぞれを掛け合わせて……という感じで作っていきました。
郷土料理にはもともと、製造過程に発酵の工程が入っているものが多かったので、「免疫力・抵抗力」についても自然と思いつきました。あとは仕事柄、患者さんの栄養相談をしているので、その中でレシピを思いつくことも多かったですね。
―今回の全国大会での最多品目となりましたが、9品目にこだわった理由は
北海道の郷土料理を調べているうちに、あれもこれも作りたくなってしまって、結局9品目になってしまいました。数の多さと、応募用の写真にはこだわったので、そこが評価されたのかなと思っています。
今回のコンテストでは主食、主菜、副菜が基本とありましたが、上限については設けられていませんでした。
先に9品目を作ることを決めていたので、これらが入る器を探していたところ、松花堂弁当を見つけて、全国大会に持ち込んだあの器に決まりました。ただ、箱が届くのがギリギリになってしまって焦りました。
全国大会の会場でほかのチームの方から「気になりました」と言われてうれしかったです。
グランプリは、大学生と助手の3人による「黄ニラ香る贅沢おかやまばら寿司等」に決定しました。
▲「黄ニラ香る贅沢おかやまばら寿司等」
ばらずしをアレンジした「黄ニラ香る贅沢おかやまばら寿司」は、ばらずしに、ゴボウやにんじんといった野菜たっぷりにアレンジ。
赤酢は、酒粕を3年間かけて発酵・熟成させて作られており、一般的な酢と比較してうま味が増強し、まろやかな酸味で減塩効果と糖分も軽減できました。さらに、大豆やしょうがも減塩効果を高め、特産品の黄ニラも加えています。
ばち汁をアレンジした「ジャンピーばち汁~沢煮椀仕立~」は、そうめんの切れ端「ばち」を入れたばち汁に、千切り野菜を豚肉で包んだ具を入れてボリュームたっぷりに。ジャンボピーマンも使い、彩り豊かに仕上げています。
淡雪かんをアレンジした「桃太郎トマトの淡雪かん」は、ふわふわした食感の和菓子を、桃太郎トマトで甘さと酸味のあるデザートに仕上げました。トマトを使った郷土料理があまりないところに注目し、あえて使用したというセンスの光る一品です。
▲左から牧原さん、村上さん、住吉さん
―あらためて感想をお聞かせください
まさかグランプリを受賞できるとは思わなかったので驚きました。入賞するとは思わなかったですし、正直あきらめかけていたのですが、名前を呼ばれて驚きました……。でも、牧原さんだけは「いける!」と思っていたようです(笑)。
岡山という土地柄、食材に恵まれていたことも受賞の要因として大きかったと思います。
―レシピのポイントは?
酢に着目したことです。
今回のコンテストで新たに追加になった「免疫力・抵抗力」というキーワードから、発酵食品である赤酢を思いつきました。今回のテーマにぴったりだろうと。そこからキーワードに合うほかの食材を探していったというかたちです。現代人は酢が不足しがちになっていることや、酢の酸味を効かせつつ、減塩も叶えるというポイントにフォーカスしてレシピを作成しました。
見た目の美しさにもこだわりましたが、今回は食材のもつ栄養価を失うことなく、そのまま摂取できるようなレシピを意識しました。
―レシピの開発期間は?
短期集中型でレシピをつくりました。
昨年のコンテストにも応募していたのでイメージはあり、アイデアもたくさんあったので、メンバーで持ち寄って一気にレシピを完成させました。アイデアはぽんぽん出てくる方なので、まとめるのは早かったと思います。
―郷土料理に対するイメージは変わりましたか?
レシピを作成しながら、郷土料理は同じ食材でも食べ方がまったく異なることに気づきました。
そのままの郷土料理の味わい方ももちろん大事だと思う一方で、特に若い世代には新しい食べ方のほうが浸透しやすいとも思います。
とはいえ、郷土料理の原型が残るようにしたかったので、ばら寿司の「具をごはんのなかに入れる」というベースは変えないまま、中身にゴボウやにんじんといった野菜をたっぷりいれることでアレンジしました。
合同会社サウザンスマイルズ
タニタのグループ会社。社名にもなっている「もうあと1000人を笑顔に」という理念のもと、ウェブサイトの運営やモジュールの開発などを行っています。
サウザンスマイルズ ウェブサイト:
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