タニタの考える健康
2024.04.15
健康診断を受けるたび気になる血糖値。でも、血糖値って何なのか、高いとどんなリスクがあるのかイマイチわからない…そんな方は少なくないはず。体重や体脂肪率とは違い、日頃から意識することがなかなかない血糖値ですが、実は高いままで放っておくのはとても危険です。 今回は、そんな意外と知らない血糖値の基本情報を、開発部の木下がお伝えします。ぜひ、ご自身の健康診断の結果と照らし合わせながらご覧ください。
株式会社タニタ 開発部 生体科学課 木下 裕梨
2008年入社。長らく尿糖計の生産管理に携わった後、2018年から歩数計の開発を担当。歩数計「FR-300L」のアルゴリズムを構築した。現在は、加速度センサーを利用したさまざまな製品や、高齢者の健康に寄与する製品の研究開発に取り組んでいる。
血糖値とは「血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度」のことです。食品に含まれる炭水化物は体内に入ると消化され、小腸で「グルコース」という物質になり、血液中に吸収されます。この濃度のことを血糖値といいます。
このため血糖値は、食前と食後で変動します。ただし健康な方の場合は、食前血糖値は100mg/dL未満、食後血糖値でも140mg/dLを超えることはありません。この基準を超えると、「糖尿病」や「境界型糖尿病(糖尿病予備軍)」と診断されます。
境界型糖尿病になると、数年以内に糖尿病を発症するリスクが高いといわれており、早期に改善に向けて行動を起こすことが必要です。
自身で血液を採取して血糖値をはかれる「血糖測定器」は販売されていますが、これは注射薬による治療をしている一部の糖尿病患者さんなど、日頃から血糖値の管理が必要な方向けの商品です。
「血糖値が高めなことが気になる」という段階の方は、血糖値を下げるための対策をしっかりと行いつつ定期的に健康診断(血液検査)を受けて測定し、その推移を確認していきましょう。
食前の血糖値は正常で、食後のみ正常値を超える状態を食後高血糖といい、食後に短時間で血糖値が急上昇し、すぐに急降下することを「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイク自体、からだにダメージを与えますが、食後高血糖は境界型糖尿病や糖尿病になる前段階ではじまることが多いという特徴があり、血糖コントロールがうまくできない状態がはじまっている、ということでもあります。
上のグラフは、(2型)糖尿病の方と食後高血糖が見られる方、健康な方の食後の血糖値の推移を表したものです。糖尿病の方の場合は血糖値が高い状態が長く続くのに対し、食後高血糖の方は、食後に糖尿病の方と同じくらいまで急上昇しますが、比較的早く正常値まで低下します。
血糖値の急上昇・急降下にかかる時間には個人差があり、中には非常に短い時間で血糖値スパイクが起こる方もいます。そのため、健康診断で異常を見つけるのが非常に難しいのです。このことから、食後高血糖は「隠れ糖尿病」とも呼ばれています。
血糖値の正常値は「食前で約70~100mg/dL、食後で140mg/dL未満」とされています。
健康診断でこの正常値の範囲をオーバーした場合は、特定保健指導や、医療機関の受診勧奨の対象になります。以下の表は、その数値を具体的に表したものです。
健康診断の結果を確認する際、血糖値と併せて注目してほしいのが、表右側の「HbA1c(NGSP)」の値です。
HbA1cとは、過去1~2ヶ月の平均的な血糖の状態を確認できる指標。たとえ健康診断の直前に食事をコントロールして、空腹時血糖が正常だったとしても、HbA1cを見れば、血糖の問題の有無がわかります。
具体的には、HbA1cが5.6以上の場合、値に応じて特定保健指導や医療機関受診勧奨の対象となります。
血糖値スパイクのような変動が激しい場合は、血管に負荷がかかり、心血管疾患や動脈硬化などの血管系の病気を発症しやすくなります。また、糖尿病になってしまうと食事制限が必要になります。
さらに合併症を引き起こすと、失明したり人工透析が必要になったり、足が壊疽(えそ)して切断しなければならなくなったりすることもあり、QOL(生活の質)が低下してしまいます。
今血糖値の高さが気になっている方は、からだに深刻なダメージが生じてしまう前に、早めに血糖値を下げる対策をしましょう。
血糖値の正常値や異常の表れ方などの基本的な知識がつくと、健康診断の結果をより深く理解でき、また改善に向けて行動しようという気持ちになるのではないでしょうか。
血糖値に限った話ではありませんが、健康リスクへの対処は早めに行動するのが肝心。
血糖値を下げる具体的な方法をご紹介した記事も併せてチェックし、ぜひとも今日から改善に向けたアクションを起こしましょう。
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