タニタの考える健康
2022.12.12
ダイエットに取り組む皆さんのさまざまな疑問に、“タニタ式”でお答えする本シリーズ。 第3回は、生体データの解析や体組成計の開発に携わる和智が、ダイエットの素朴な疑問に答えます。
和智 湧斗
2016年に入社し、生体データの解析や体組成計などの商品企画に従事。2020年からは、これまで培った解析技術や統計学の知識を活かし、会社の枠を超えて幅広く活動している。最近では、体組成のデータからウエストやヒップなどの形状を推定する新しい技術、『TANITA Body Shape Analyzer』の開発にも携わった。
前回、「痩せやすい体質」になる方法はある?でお話しした通り、ダイエット中も筋肉量をキープするためにはタンパク質が欠かせません。プロテイン飲料は「タンパク質を効率的に補給できる食品」なので、賢く活用すれば健康づくりをサポートしてくれます。
ここで少し気をつけたいのが、プロテイン飲料そのものにはダイエット効果がないという点。そして、タンパク質には適切な摂取の目安量があるという点です。目安を超えて摂取した場合、過剰なアミノ酸(体内でプロテインが分解されてできた成分)が尿として体外に排出されますが、この過程で腎臓に負担がかかります。摂りすぎにはご注意してください。
筋肉をつけるためにはやはり筋力トレーニングが必要です。その際、体内のタンパク質が不足していると、筋肉を鍛えても同時に分解も起こってしまうため非効率。しかし、食べ物の消化・吸収には2、3時間が必要であり、筋トレの時間に合わせて摂取することは簡単ではありません。そこで、プロテイン飲料が役立ちます。「筋トレを行う60分前」と「筋トレを行った後30分以内」にプロテイン飲料でタンパク質を補うのがオススメです。
※プロテインの種類によって多少の差はあります
1日のタンパク質摂取目安は、成人では体重1kgに対して約0.8~1.0gで、標準的な体形の成人男性では60g、成人女性では50gくらいになります。この量のタンパク質を鶏むね肉で摂取しようとすると、必要量はだいたい300g。毎日食事だけで補うのはなかなか難しいので、足りない分はプロテイン飲料を活用するのも良いと思います。
からだの部位によって筋肉そのものの大きさが異なるため、“筋肉が大きいところ”にアプローチするのが有効です。早く効率的に痩せる(=体脂肪を減らす)ことを目指すなら、胸の筋肉(大胸筋)や背中(広背筋)、お尻(大臀筋)、太もも(大腿四頭筋)などの大きな筋肉を鍛えて、効率的に基礎代謝を上げていきましょう。
とくに大臀筋を含む下半身の筋肉は、全身の筋肉量の60~70%を占めるので、積極的にトレーニングするのがオススメです。デスクワークが多い方は、猫背を防止する意味でも背筋を鍛えるといいでしょう。本格的なトレーニングでなくても、日常的に「筋肉を使っていること」を意識するだけで違いますよ。
痩せるための基本は、「消費エネルギーのカロリー(消費カロリー)>摂取エネルギーのカロリー(摂取カロリー)」の状態をキープすること。毎日の消費エネルギーのうち約60%は基礎代謝によるものなので、基礎代謝を上げることが痩せやすいからだづくりのカギとなります。そして筋肉量を増やすことは、基礎代謝を上げる早道のひとつ。健康のためにも、ぜひ筋肉に意識を向けてみてください。
筋肉は脂肪よりも重いので、筋トレを始めると最初は体重が増えます。「痩せたいのに体重が増えてしまうなんて」と感じるかもしれませんが、筋肉が増えれば基礎代謝が上がり、“太りにくく痩せやすいからだ”に近づきます。現在と同じ食生活をキープしたうえで筋トレを継続すれば、ゆっくりでも着実に体重が減り、ボディラインの変化も実感できるはず。結果的には効率的かつ健康的に痩せることにつながるので、焦らず継続することが大切です。
水を飲むことで脂肪が減少する効果は認められていませんが、水は、血液がからだのすみずみに栄養や酵素を届けるため、またスムーズに老廃物を排出するために必要です。そのためには1日に2Lくらい水を飲む必要があると言われていて、ちゃんと食事を摂ればその中に0.7~1Lくらい水分が含まれています。そのため、1日あたりの飲料水の摂取目安は約1L~1.3L。2Lは多すぎるかもしれませんね。
また、不足した水分や空腹状態を食べ物で解決しようとすると摂取カロリーが多くなってしまいます。食べ過ぎ防止のためにも、1日1L~1.3Lを目安に水を飲んでみてください。
筋トレをするときも、ランニングのような有酸素運動をするときも、運動によって熱が発生することでからだから水分が奪われます。からだの水分量が減少すると、脱水症状や熱中症のリスクだけでなく、運動パフォーマンスが低下してしまいます。のどが渇いたと感じたときにはすでにからだの2%相当の水分が失われているので、のどが渇く前にこまめに水を補給することが大切です。
目安は、15~30分ごとに150~250mLくらい。運動前後にも同じくらい摂取しましょう。
また、汗にはナトリウム(塩分)が含まれます。ランニングのような汗がたくさん出る運動をするときは、水だけでなく塩分が含まれているものを飲むのがオススメです。1時間以上の運動をするのであれば、疲労予防のために、さらに糖質が含まれるもの(=スポーツドリンク等)を摂取すると良いでしょう。
あなたが今、「がんばっているのに思い通りに痩せられない」「理想的なからだをキープできない」と感じているなら、そのダイエット方法は間違っているのかも。効率的にダイエットをするために最も重要なのは、自分のからだや、からだのメカニズムについて「知ること」です。あなたにぴったりのダイエットを見つけるために、ぜひ「ダイエットの素朴な疑問」シリーズを活用してくださいね。
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