PRODUCT STORY
2022.07.12
2023年12月以降、乗用車5台以上、もしくは乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する事業所では、運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認することが義務づけられます。 また、その記録は1年間の保存が必要となり、今現在、環境の整備に追われている方は多いのではないでしょうか。 そこで今回は、タニタのアルコール検知器の仕組みや選び方について、企画担当者の佐川が説明します。
INDEX
株式会社タニタ 営業戦略本部 佐川 清志
2001年入社。技術部門でヘルスケア商品の設計・開発に従事した後、営業部門を経て、現在は企画部門に所属。アルコール検知器を含めたヘルスケア商品全般のサービス企画に携わっている。
アルコール検知器には「半導体式」と「燃料電池式」の2種類があり、それぞれ種類の異なる「アルコール検知センサー」が搭載されています。これらのセンサーが呼気中(吐いた息)のアルコール濃度を計測しています。
・半導体式
アルコールが付着すると電気の流れやすさ(電気抵抗値)が変化するセンサーが搭載されています。その変化の程度をアルコール濃度に換算します。
・燃料電池式(電気化学式)
アルコールを燃料として発電するセンサーが搭載されています。センサーで発電された電気の量をアルコール濃度に換算します。
タニタでは、そのセンサーの特徴から、半導体式と燃料電池式とでは異なる用途を想定しています。
・半導体式
燃料電池式に比べて安価な半導体式は、一般販売を目的とする「家庭用」に分類され、アルコール検知器市場の大多数を占めています。 タニタにおける半導体式アルコール検知器の製造の歴史は長く、緑ナンバー(営業車)のアルコールチェックが義務化された2011年よりずっと前、1999年から販売を開始しました。
タニタでは、半導体式は個人が主に健康飲酒※に役立てる用途で使用することを想定しています。
※健康飲酒とは「節度ある適度な飲酒」を意味しています。
・燃料電池式
一般的に「業務用」とされるタイプで、複数人で使用し、計測回数も多くなることを想定して製造されています。精度を維持するため、定期的なメンテナンスサービスも提供しています。
アルコール検知器協議会(J-BAC)の認定商品であれば、その種類に関わらず一定以上の品質が保証されていて、高い精度でアルコールの検知が可能です。タニタのアルコール検知器の一般流通品はすべて※、アルコール検知器協議会の認定を受けています。
ただし、使い方には注意が必要です。ジュースやパンなどの多くの飲料や食品にはアルコールが含まれており、それらが口内に残っている状態で検知器を使用すると、たとえ小さな子どもでも反応する場合があります。
飲食直後の使用は避け、水でうがいをしてから使うようにしてください。また、手指消毒用のアルコールにも反応するので、注意が必要です。
アルコール検知器の導入義務化にあたって、測定者による検知器のすり替えや被検者のなりすましなどの「ごまかし」をどう防ぐか、その対策に悩んでいる管理者の方が多いと聞きます。
その悩みをサポートするため、さまざまな「ごまかし防止システム」を備えたアルコール検知器が登場しています。例えば、使用時に測定者の顔写真を撮影したり、一連の様子を動画に記録したりといった機能です。
より信頼性の高い検査の実施を目指すなら、こうした最新の機能を搭載しているアルコール検知器の導入をご検討ください。
アルコール検知器は息を吹きかけて使うため、使うたびに汚れが蓄積します。また、未計測の状態でも、空気中の汚れが付着してしまいます。これによりセンサーが劣化していくため、定期的なメンテナンスが必須です。
タニタでは、燃料電池式アルコール検知器のメンテナンスサービスを提供しています。具体的には、内部の基板をクリーニングして感度を調整。さらに、お客様が直接触れる部分はすべて交換するため、新品に近い状態になります。
半導体式のセンサーは米粒ほどの小さなサイズで、燃料電池式よりも汚れがつきやすいため、メンテナンスができず買い替えが必要です。
勤務形態や管理方法に合わせて選ぶことが重要です。直行直帰や出張など、社外での利用が想定される場合は、事業所に据え置き型を、出先ではモバイル型を使用できるようにすると便利です。
また、確認の記録をPCに保存する場合は、管理システムと連携できる機種にすると使い勝手が良いと思います。
アルコール検知器の選び方はこちらをcheck ≫
例えば、タニタの最新型燃料電池式アルコール検知器「アルブロ FC-1500」は、クラウドシステムとの連携で、日々の確認や日常点検の記録を、遠隔地を含めて簡単に管理できます。
また、不正計測防止機能が充実しているのも大きな特徴。二次元コードによる機器の認証、そして測定者の顔認証が可能で、「どの機器で誰が計測しているのか」を特定できます。
なお、タニタの燃料電池式アルコール検知器は、すべて完全受注生産です。注文が入ってから、一つひとつ精度確認を行って出荷しています。
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