タニタの考える健康

【コア研コラム vol.5】変われる自分になろう!(前編)

2024.07.11

タニタの新規事業に欠かせない「コア技術」。その研究・開発を担うのがコア技術研究所(通称"コア研")です。 「コア研コラム」では、研究所に所属する先生方に健康について様々なお話を伺っていきます。 今回は、川村病院の中田先生に教えていただきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

プロフィール

中田 浩二 (なかだ こうじ)先生

 

医療法人社団秀峰会 川村病院 外科
東京慈恵会医科大学 客員教授
東京慈恵会医科大学附属第三病院 客員診療医長
日本平滑筋学会 理事
日本神経消化器病学会 理事
日本安定同位体・生体ガス医学応用学会 理事

静岡県富士市の川村病院に外科医として勤務し、主に内視鏡検査・治療と外来診療を行う。また、慈恵医大客員教授を務め、慈恵医大第三病院の総合診療部で隔週土曜日に機能性消化管疾患の診療を行っている。

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「健康診断で異常があった!」と病院へ来たあなたは、偉い!

健診結果に異常がみられて病院を受診する方は、健康に対する意識が高い方だと思います。

来院される理由は人さまざまだと感じています。今は症状やつらさを感じていなくても、これから先も健康で元気に生活を送りたいと考えている方、何らかの不調を感じて健康状態に不安を感じている方、健診結果をみてもよくわからないので自分の健康状態を知りたい方、自発的ではなく会社や家族に言われて渋々来た方など。

 

理由は様々ですが、病院を受診した時点で「将来の健康」に向けた第一歩は無事に踏み出せていると思います。

健診結果の異常をスルーしてしまったら、その道のスタート地点にも立てないわけですから。
 


「生活習慣を変える」ことの難しさ

受診された患者さんには、生活習慣の改善を指導することが多くあります。ですが、すぐに習慣を変えることができる方は多くありません。生活習慣を変えるのは、なかなか容易ではないと感じています。

人は「変化」に対して抵抗するものだ、と言われています。現在の生活習慣は、自身の生活環境に適合しようとして形づくられてきたものですし、その人なりの続ける理由があるものです。

 

また、日々の習慣になっているための「馴れ」があり、その人にとって居心地のよい快適ゾーンにもなっています。このように、今の心地良さ(またはストレス解消)を手放してまで、未来の健康のために生活習慣を変えることが難しいのは当然ともいえます。

 

健康のために生活習慣を変えた方がいいことはわかっているけどできない(やりたくない)理由は無数にあります。今症状がなくて困っていないから、身体に悪いことは知っているけどストレス解消に必要だから(またはそれが心地良いから)、運動をする時間やジムに通うお金がないから、今の生活が手一杯で先のことを気にする余裕がないから、たぶん自分は今の生活を続けていても不健康な状態にはならないと思うから(=根拠のない楽観的思考)‥‥。


人は言い訳を考える天才です。ですから、生活習慣を変える必要性を感じて納得して行動を変えることは難しいのです。
 


一歩踏み出すために!考え方のポイント4つ

わたしが精神医学や心理療法から学んだり、多くの患者さんと接する中で気づいたり、教えてもらった「生活習慣を変える考え方」についてお話しします。

(1)自分にとって大切なこと(=価値)について考えよう

「これから先(10年・20年後)も健康で元気でいたい」というのは多くの人に共通した思いではないでしょうか(「いや、自分は病気で不健康がいい」という人はいないと思うので‥‥)。

 

そのような価値(方向性)を意識して、今の自分の行動(生活習慣)がそれに近づくものか、あるいは遠のくものかを吟味して、近づくのに役立つ行動を選択することが大切だと言われています。人は自分の気分や思考を変えるのは苦手ですが、行動を変えることは比較的容易で、そうすることで意識(考え方、感じ方)も変わってくると言われています。

 

皆さんにも気が進まなかったけれど、やってみたら結果も良かったし気分もスッキリしたという経験があるのではないでしょうか。

(2)「やる気」になるより「その気」になろう

大きなタスクを「さあ、今から始めよう、絶対に続けよう!」と意気込むと、一歩踏み出すのにも緊張して気が重いのではないでしょうか。

また、挫折して続かなかった場合には「やっぱり自分には無理だったんだ、できなかった自分が情けない」などと自分を責めたり、傷ついたりするのではないでしょうか。

 

そこで捉え方を変えて、タスクをできるだけ小さな(抵抗なくできる)大きさに分割して、「とりあえず試しにやってみよう!」と軽く受け止めてやってみてはどうでしょうか。試しに小さく一度だけ行うのならそれほど負担に感じずにサッと踏み出すことができますし、動き始めることで弾みがつくかもしれません。

 

人は新しい行動に向けて最初の一歩を踏み出すのがもっとも難しいと言われていますので、できるだけ小さく分けて「その気」に乗ってサッと動いてみるのがコツかもしれません。

(3)未来の自分と交信してみよう

10年、20年先の健康のために、馴れた居心地のよい生活習慣を変えなくてはいけない?そんなの面倒くさいですよね、とくに今困っていないし。

でも、だいぶ先のように思えても、それはいつか必ず訪れる「今日のあなた」なのです。不健康になるといつもつらい症状で悩まされたり、今はふつうにできる身体の活動ができなくて不便を感じたり、‥‥、ちょっといやですよね。たまにでよいので、未来の自分を想像して交信してみてはどうでしょうか

 

あなたが「今日もタバコを20本吸った、お酒をたくさん飲んだ、食事もたらふく食べた、運動せずゴロゴロしていた、‥‥、これを続けていていいかな?」と言ったら未来のあなたは何と答えるでしょうか。「お~い、勘弁してくれ~!」と言うかもしれませんね。未来のあなたから「ありがとう!」と言われるために何をしますか?

(4)「ユルユルネバネバ」で行こう

負担にならないように、まずは小さく(ユルユル)始めてみることです。そして、それをしつこく続けていく(ネバネバ)ことです。たまにできなくても(やらなくても)大丈夫!自分を責めて落ち込むのはやめましょう

 

やった分だけプラス、やらなくてもマイナスではありません。ときには意識的に弓の弦を緩める日をつくることも大切です。そして気を取り直してまた始めましょう。小さく始めたことが「当たり前化」すると自然と歩幅が大きくなるものです。そうなればしめたものです。

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「コア技術研究所コラム」では、研究所に所属する先生方に健康について様々なお話を伺っていきます。ご専門の先生ごとに過去発信コラムをまとめてありますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

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