運動

部位別の筋質点数を活用して、トレーニングをより効果的に

2024.10.18

タニタの家庭用体組成計の一部機種ではかれる、「部位別」の筋質点数。実はこの数値、スポーツや筋トレなどのからだづくりをより効果的に行うために役立つ、アスリートやトレーニーのみなさんにぜひ把握してほしい指標なんです。 今回はそんな部位別筋質点数の有用性や活用方法を、自身もトレーニーでもある開発部担当者の佐藤がご紹介します。

プロフィール

株式会社タニタ 開発部 生体科学課 佐藤 航大
2021年入社。おもに新商品のアルゴリズム開発を担当。また、学生時代はスポーツ科学を専攻。CSCS*保有。その知識を活かし、プロサッカーチームやプロバスケットボールチームなど、さまざまな競技のアスリート支援に関する業務も担当している。

*CSCS(Certified Strength and Conditioning Specialist)…傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する人材を認定する資格


からだの部位によって、筋肉には違いがある?

「筋肉」と一口にいっても、からだの部位によって使う頻度や動かし方には差があるもの。
そのため、「部位ごとに筋肉の量や質に傾向があるのではないか」と考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?


実際、体重あたりの「筋肉量」の割合を部位別に見てみると、「筋肉がつきやすい部位」はたしかに存在します。その部位には男女で違いが見られ、男性は下半身よりも上半身の筋肉量が相対的に多く女性は相対的に上半身よりも下半身の筋肉量が多い傾向にあるんです。

 

 

一方で、「筋質」は特定の部位だけ大幅に高くなることは基本的にはありません。左右や上肢、下肢で若干の差はありますが、それは「その人が生まれもったからだのバランス」。

人間のからだには、人によって異なる多少の左右差があるものです。


ただし、アスリートや一定以上のトレーニングをしている方の場合は、特定の部位の筋質点数が高くなるケースも。つまり、自らの意思と行動によって、狙った部位の筋質を高められるといえます。
 


 

筋質とは?

筋質とは、「筋線維の密度」に関連する指標です。筋肉は、「筋線維」と「筋線維をとりまく組織(水分や脂肪、結合組織)」でできており、筋肉量はこれらの総合量を示す指標です。

そのため、体組成計で筋肉量の数値が高くなったとしても、実際には筋線維をとりまく組織の炎症やむくみによって水分が増えているだけの可能性も否定できません。


このとき、筋肉量だけでなく筋質もはかれば、筋肉の状態や正しい変化の把握につながります。この筋質をわかりやすく点数化したのが、タニタ独自の指標である「筋質点数」です。
 

部位別筋質点数の測定を可能にする「8電極」

タニタの一部の体組成計では、筋質点数を「右腕」「左腕」「右脚」「左脚」「全身」の5つに分けて測定可能です。これは、体組成計に「8つの電極」を備えることで実現しています。

▶左:4電極の体組成計(RD-930/931)、右:8電極の体組成計(RD-803L/804L)

筋質点数は、体組成計の「電極」と呼ばれる部分からからだに微弱な電気を流すことでインピーダンス(抵抗値)を測定し、その数値をもとに算出します(筋肉量や体脂肪率も同じです)。


乗るだけで筋質点数を測定する体組成計には4つの電極がついており、片方の足から反対の足に電気を流してインピーダンスを測定します。一方でグリップを握るタイプの体組成計は、足元に4つ、グリップに4つの合計8つの電極を装備。
 


部位別に「筋質」をはかる技術を、より広く届けたい

タニタは「ユーザーの方々にからだの状態をより詳しく把握してもらい、より効率的にからだづくりに取り組んでほしい」という想いと、多くの方々の健康に寄与すべく、部位別の筋質点数がはかれる家庭用体組成計の開発に乗り出し、2015年に発売しました。

 

部位別の測定ができるようになれば、トレーニングを強化すべき箇所、もしくは特定部位のトレーニングの効き目を把握でき、より効果的に理想のからだを目指せるはず。また、点数の変化を細かに把握することは、モチベーションの維持にもつながると考えています。


ちなみに、現在の体組成計の形状では、業務用体組成計であっても「両腕と両脚と体幹の5つ」より細かな測定はできません。つまり、家庭用体組成計「RD-803L/804L」には家庭用でありながら、細かく測定ができる方法を採用していることになります。
 


部位別「筋質点数」をトレーニングに活用する方法

筋質点数をトレーニングに活かすにあたり、最も重要なポイントは「こまめに、継続的にはかること」です。そうすることで、筋肉の状態の変化をより細やかに、正確に把握できます。
各部位の筋質点数を継続してはかり、点数が下がっている部位、そこを重点的に鍛えるトレーニングメニューを組むのがおすすめです。

また、筋質点数は筋肉量に比べて早い段階で結果に変化が現れます。目で見てわかるからだの変化はなくても、トレーニングが確実に効いていると数値で把握できれば、モチベーションを維持しやすくなりますよ。

ちなみに私自身は、トレーニングのサボり防止に部位別の筋質点数を活用しています。トレーニングを少しサボると、筋肉量はすぐには変わりませんが、筋質点数には変化が現れるもの。取り戻すのが大変になるまで怠けてしまわないよう、「自分への戒め」として筋質点数を必ずチェックしています。
 

筋質点数は「鍛えた部位だけ」が上がる?

特定の部位を集中的に鍛えれば、基本的にはその部位の筋質点数が上がります

ただし、大きい筋肉を鍛えた場合は、ホルモンの作用もあって、全身の筋質点数や筋肉量も一緒にアップしやすくなります! つまり、大きな筋肉を使うスクワットをすれば、全身の筋質点数や筋肉量も向上しやすくなるんです。

筋質点数がケガや体調不良に気づくきっかけに

筋質点数の継続的な測定でわかるのは、筋肉の変化だけではありません。数値の推移から、健康状態の変化にも早く気づける可能性があります


なぜなら、筋質点数は炎症やケガ、体調不良、栄養不良などが原因で低下することがあるから。いつもと同じようにトレーニングをしているのに筋質点数が10点近く下がった場合は、その箇所になんらかのトラブルがないか疑うようにすると、不調の早期発見につながる可能性があります


筋質点数をはかってより効果的にからだづくりを!

筋肉量や体脂肪率の変化は、見た目からある程度わかるものです。しかし、筋質点数はタニタの体組成計ではからないとわかりません。
なかでも部位別に筋質点数をはかれる機種は、からだづくりに真剣に取り組んでいる方や、運動習慣の定着に向けて努力しており、モチベーションになる指標がほしいと考えている方にとくにおすすめ。ぜひ部位別筋質点数をモニタリングして、より効率的にトレーニングに励んでもらえたらうれしいです。
自分もひとりのトレーニーとして、これからも筋質点数をチェックしながらからだづくりに取り組んでいきます!
 

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