タニタの考える健康

【コア研コラム vol.7】健康に関わる4つ目のアセット睡眠

2024.08.05

タニタの新規事業に欠かせない「コア技術」。その研究・開発を担うのがコア技術研究所(通称"コア研")です。 「コア研コラム」では、研究所に所属する先生方に健康について様々なお話を伺っていきます。 今回は、慈恵医大晴海トリトンクリニックの横山先生に教えていただきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

プロフィール

横山 啓太郎 (よこやま けいたろう)先生

 

東京慈恵会医科大学 大学院 健康科学教授
慈恵医大晴海トリトンクリニック 所長
腎臓高血圧内科・行動変容外来診療医長

2016年に大学病院として日本初の「行動変容外来」を開設、診療医長となる。2019年には寝たきりのリスクを減らす「ライフデザインドック」を慈恵医大晴海トリトンクリニックにてスタートさせる。
 

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健康に関わる4つ目のアセット睡眠

前回のコラム「生活習慣病に対して有効な行動変容」で、その対象となる健康のアセットは①マインド②運動③栄養④睡眠の4つである、とお話ししました。今回はその4つ目の「睡眠」について詳しくお話しします。

 

人は人生の1/4 以上の時間は眠っており、睡眠は生きる基本です。そして、良い睡眠が確保できてこそ、マインド、運動、栄養のコントロールができます。2時間の睡眠不足によって交通事故は2倍になるとされているし、睡眠不足が高血圧や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の原因になるとも言われています。


心と睡眠について

ストレスの多い現代社会において交感神経が亢進(こうしん:高い度合いまで進むこと)していますが、睡眠により、リラックスモードになることで、副交感神経優位となり、身体と心に休息を与えることになります。この休息をとれないとそれは「睡眠負債」となり、身体と心に影響を与えていきます。


診察室で血圧が高い患者がいた場合、その陰に睡眠不足という問題が隠されていることがあります。その場合、医師が気付かず、降圧剤を処方されてしまうということもよくあります。

また、うつ病の治療の基本も、十分睡眠をとり、生活リズムを取り戻すことが大切です。


1日の血圧変化

24時間血圧を測定すると、血圧は、昼間に比べ夜間睡眠中には10~20%低下し、午前3時ごろに最低となったのち、覚醒に先駆け早朝から午前中にかけて上昇します。この夜間の血圧低下はdipping現象と呼ばれており、この血圧低下が起こらないnon-dipperの人は腎臓病や糖尿病疾患である場合が多いです。

 

また、睡眠時無呼吸症候群の患者では無呼吸時に血圧が200mmHgを超えることも珍しくなく、このような場合は心血管合併症の罹患率が高くなります。


レム睡眠とノンレム睡眠

「熟睡することができる」こと、特に入眠後の90分間で深い睡眠を得ることが大切です。睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠という2種類の睡眠から成り立っています。

ノンレム睡眠は「脳の眠り」であると言われ、一方、レム睡眠は「身体の眠り」と考えられています。レム(REM)とは、Rapid Eye Movementの頭文字を取ってできた言葉であり、このレム睡眠の最中には眼球が早く動き、夢を見ています。

 

入眠後の90分間はノンレム睡眠が始まり、次第に深い眠りになっていく時間です。そのため入眠後90分の睡眠の質を上げる必要があるのです。


深い睡眠をとるためのポイント

深部体温を下げることにより、深い睡眠をとることができます脳が興奮すると、体温が下がりにくく、寝つきが悪くなり、眠りも浅くなります。家でもスマホやパソコン、ビデオなどいつでも刺激となるものがたくさんあるし、日中に受けたストレスも脳を興奮させます。

 

たとえば旅行先でよく眠れなかったという経験がある人は少なくないでしょう。これは環境の変化が脳に刺激を与えて、入眠が妨げられているためです。寝る前にスマホやパソコン、ビデオなどの刺激を受けることやアルコールも深い眠りを妨げると言われています。

 

また就寝の90分ぐらい前に入浴することで深部体温を意図的に上げ、その後の深部温度の低下により良質な睡眠を施す方法や、アンドリュー・ワイルが提唱した快眠方法である「4-7-8呼吸法」など快眠に対するアプローチも様々に存在します。

「4-7-8呼吸法」は、まず口から完全に息を吐き切った後に、鼻から4秒間息を吸い、7秒間息を止め、8秒間かけてゆっくりと口から息を吐き出す呼吸法です。

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