タニタの考える健康

むくみが原因で太る!? 食べ物、飲み物、マッサージで冬のむくみ対策

2025.01.15

「朝はなんともなかったのに、夕方には靴がキツく感じる」という経験はありませんか? その原因は、多くの女性たちを悩ませるからだのトラブルである「むくみ」。むくみは年齢を重ねることで感じやすくなったり、冬に起きやすかったりするので、決して女性だけの問題ではありません。 そんなむくみの原因や、むくみ解消に効果的な食べ物・飲み物、マッサージをはじめとした対策について、開発部の赤尾がタニタの視点から詳しくご紹介します。 ※本記事では、治療が必要な「心不全」「腎不全」「肝不全」などの疾患が原因で起こるむくみについては言及していません。慢性的なむくみが見られる場合は、必ず医療機関に相談してください。

プロフィール

株式会社タニタ 開発部 生体科学課 赤尾 茉菜
開発部に所属し、体組成に関連するアルゴリズムや新商品、サービスの開発を中心に、幅広い業務で活躍中。生体データや心理データの解析、からだの状態を判定する指標の作成、市場調査などにも携わる。
 


むくみとは? とくに冬にむくみやすいのはなぜ?

むくみ(浮腫)とは、からだに水分が必要以上に貯留している状態のこと。もう少し詳しくいうと、「“細胞の周囲にある組織”に水分が過剰に溜まっている状態」を指します。


余分な水分が溜まると、人間のからだは「体内の水分バランスを保とうとする機能」が働きます。しかし、その機能では対処しきれないくらいに水分が溜まると、「むくんでいる状態」になってしまうのです。
そんなむくみの原因、つまり、むくみやすい人の特徴としては、以下が挙げられます。

むくみやすい人の特徴

  • 長時間同じ姿勢で過ごしている
  • 運動不足
  • からだが冷えている
  • 水分、塩分、アルコールを摂りすぎている
  • ストレスを抱えている
  • 睡眠不足
     

このほか、加齢によって筋肉や血液・リンパ液の循環機能の衰えが見られる方や、月経中の女性もむくみに悩まされやすいです。

また、むくみは「心不全」「腎不全」「肝不全」などの治療が必要な病気が原因で起こる場合もあります。慢性的なむくみがある方はすみやかに医療機関を受診し、からだに異常がないか確認してもらってください。
 

夏よりも冬にむくみやすいのはどうして?

からだが冷えやすい冬は、血行不良になりやすく、新陳代謝が低下しがち。つまり、からだに溜まった水分を代謝しにくい状態になり、むくみが生じやすくなります。

さらに、寒い季節はこたつなど暖かい場所から出られなくなる方も多いのではないでしょうか? そうやって同じ姿勢でいる時間や運動不足が続くことも、むくみの悪化に拍車をかけます。


動くのがおっくうになる気持ちもよくわかりますが、今年の冬はぜひ意識的にからだを動かして、むくみ解消に取り組んでみましょう。


むくみを放置すると太るって本当?

「むくみを放っておくと脂肪になる」といわれることもありますが、むくみはからだに水分が過剰に貯留している状態なので、むくみがそのまま脂肪に変わることはありません。

しかし、むくみやすい生活習慣(運動不足や塩分・アルコールの過剰摂取など)は、すなわち「脂肪がつきやすい生活習慣」ともいえます。そのため「むくみを放置する=生活習慣の改善に取り組まない」場合、結果的に脂肪が増える可能性はあります。

 

また、むくみを放置すると、「肌が乾燥して硬くなる」「傷が治りにくくなる」といった皮膚トラブルが起こりやすくなります。さらに、長期にわたって放置した場合、むくみの原因でもある血液・リンパ液の循環の不良が、むくみによってさらに悪化するという負のスパイラルに陥る可能性も。

健康維持のためにも、むくみはきちんと解消する必要があるのです。

自覚なくむくんでいる人も! あなたのからだをCHECK

「むくんでいる自覚」がない方でも、実はからだに水分が溜まっている可能性も。この機会に、簡単なセルフチェックをしてみませんか?
 

【CHECK A】10秒間ギュッと押す
むくみをチェックする最も簡単な方法は、額や脛、足の甲などの「皮膚のすぐ下に骨がある部位」を、親指で10秒間ギュッと押すこと。指を離したときに痕が残る場合は、むくんでいる可能性大です。

【CHECK B】皮膚をつまむ
指で押しても痕が残らないむくみも存在します。痕が残らないタイプのむくみは、皮膚をつまむことでチェック。むくんでいると、つまんだ際に皮膚にシワが入らなかったり、そもそもつまみづらかったりします。

【CHECK C】左右同じ場所の太さをはかる
また、腕や足のむくみを調べたい場合は、左右の同じ箇所の周囲経をはかって比較するやり方もあります。筋肉量などの差もありまったく同じ長さにはならないものの、数センチ以上の差があればむくんでいる可能性があると考えられます。

体組成計の継続使用でむくみにいち早く気づける!

継続的に体組成を測定することで、早くむくみに気がつけるかもしれません。生体電気インピーダンス法(BIA)を利用した体組成計では、むくんでいる場合、体水分率は高く、筋肉量は実際より多く算出されやすくなります。
同じ条件で継続的に測定していると、例えば「普段と同じように過ごしているのに数値の変化がいつもと異なるということは、むくんでいるのかも」とむくみに目が向き、対策を強化できます。

 

なおタニタでは、多周波数BIA(MF-BIA)の技術を取り入れることにより、むくみによる体組成の推定誤差を軽減する工夫をしています。
 


オフィスでも簡単にできるむくみ対策が知りたい!

むくみの予防と改善にあたって最も大切なのは、ずっと同じ姿勢でいないことです。デスクワークの方はこまめに立ち上がったり、少し歩いたりする習慣を、立ち仕事の方は定期的に足を曲げ伸ばしする習慣をつけることをおすすめします。そのほかには、軽い体操やストレッチも有効です。

 

また、足のむくみがつらい方は、ふくらはぎを軽くマッサージするのも効果的。ふくらはぎの筋肉を動かすと、下半身の血液やリンパ液の循環が改善されます。マッサージ以外では、以下のような座ったままの状態でもできる足の運動も、むくみの予防や解消につながります。

座ったままできるむくみ解消方法

  • 足の指をすぼめたり開いたりを繰り返す
  • つま先を床につけ、かかとを上げ下ろしする
  • かかとを床につけてつま先を引き上げる
  • 膝を両手で抱え、脚の力を抜いて足首をぐるぐる回す

あとは、筋力向上のために日頃から運動習慣をつけることにもぜひ取り組んでもらえたらと思います。移動ではなるべく階段を使う、通勤時に1駅分歩くなど、できそうな工夫から始めてみてください。

 


からだを動かす以外で気をつけたいむくみ対策

からだを動かす以外にできるむくみ対策としては、以下のようなことが挙げられます。

1. こまめな水分補給
水分不足の状態が続くと、からだが水分を溜め込もうとするため、喉が渇く前に飲み物を飲むように心がけてください。ただし、過剰に摂取すると今度は排出がうまくいかず、むくみにつながるため、飲み過ぎには注意が必要です。

2. 塩分の多い食べ物、アルコールを摂りすぎない
からだには塩分の濃度を一定に保とうとする働きや、摂りすぎたアルコールの濃度を下げようとする働きがあるため、水分を溜め込んでしまいます。

3. からだを冷やさない
冷えにより血液の循環が悪くなると、むくみやすくなります。足元が冷える人は膝かけやカイロなどを使い、からだを温めましょう。
夏も冷房や冷たい飲み物・食べ物の摂りすぎでからだを冷やさないよう注意が必要です。

4. ぬるめのお湯にゆっくり浸かる

5. からだの水分の循環を阻害するきつい服、靴の着用を避ける

6. むくみ改善に効く「カリウム」「たんぱく質」「ビタミンB群」を含む食べ物を摂る
ただし、腎機能の低下が見られる方は、カリウムの摂取量には十分に注意してください。

7. 足がむくんでいる場合は、クッションやタオルを使って足の位置を高くして寝る


冒頭でもお伝えしたように、とくに冬はむくみやすくなります。寒さに負けずにできるだけたくさんからだを動かし、上記でご紹介した食事の工夫や冷え対策にも取り組みながら、むくみ解消・予防に取り組んでください。

一緒に、むくみ知らずの毎日を目指しましょう!

参考文献:

・むくみを深く知るための生理学, Diss. Shinshu University Library(大橋俊夫, 河合佳子), 2010年https://core.ac.uk/download/pdf/148784647.pdf
・下肢の浮腫を視る─ 看護の立場から─ ,日本フットケア学会雑誌46-49(佐藤文),2017年2月15日https://www.jstage.jst.go.jp/article/footcare/15/2/15_7/_pdf/-char/ja
・原発性リンパ浮腫全国調査を基礎とした治療指針の作成研究 平成 22~23 年度総合研究報告書, 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業102-115(笹嶋唯博), 2012年
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2011/113141/201128099B/201128099B0006.pdf
・エコノミークラス症候群の予防のために, 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html

 

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  • 本コラムに記載されている情報は掲載日時点のものです。内容は予告なしに変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。
  • 本記事では、治療が必要な「心不全」「腎不全」「肝不全」などの疾患が原因で起こるむくみについては言及していません。慢性的なむくみが見られる場合は、必ず医療機関に相談してください。

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